5月例会を開催しました

5月の例会を5/10(金)14時から行いました。4月例会に引き続き、快晴でした。

本日は、中司会員の作品「喪章のキリシタン」を題材にしたワークショップでした。

本作品は、中司会員が書いた短編小説。幕末の長崎にて、隠れキリシタンとして生き抜いた女性の物語を、「聞き書き」のフレームを用いて描いた作品でした。

私たちが取り組んできた「聞き書き」は、言うまでも無くノンフィクションです。それをフィクションである小説に当てはめると、どんな境地が見えるのか、果たしてそれは成立するのかなど、たくさんの議論が飛び交う、非常に創造性に富んだワークショップになりました。

俯瞰して考えてみると、例えば司馬遼太郎の歴史小説や、松本清張の推理小説も、丹念な文献や資料収集、現地取材のみならず、現地で聞き取った方言で描かれており、そのリアリズムは聞き書きと通底しています。本作品も精緻な長崎弁で書かれており、結果、当時の情景や主人公の心情がリアルに伝わってきて、心を打たれました。本作品が出版されることを、切に祈るばかりです。

終了後、12号出版を祝して慰労交流会を行いました。韓国料理酒場「張園(ザンウォン)」の韓国料理は、本当に美味しかったです。

次回例会は、2024年6月14日(金)午後2時より、岡山県立図書館2Fグループ活動室を予定しております。

聞き書き人の会

岡山県岡山市を拠点に「聞き書き」手法を習得し、聞き書きによって地域の記録を残していくことを目指しています。聞き書きは、語り手と聞き手が対話を重ねて、語り手の人生や思いを「話し言葉(聞き書き言葉)で文章化」していく共同作業。この時代に生きているひとりひとりの人生を「歴史」として記録していく取り組みです。