6月例会を開催しました。
聞き書き人の会、定例の例会を6月14日に開催しました。
参加者は5名。少なめでしたが、ゆったりと一人ひとりの意見や感想を聞くことができました。
本日の議題は、聞き書きのオーソリティ、小田豊二先生最新作『トキワ荘の遺伝子』を読んで。まずは読後の感想を報告しました。
⭐マンガ史の空白、スタジオゼロの時代が如実にわかって面白い。
⭐北見けんいちさんから見た巨匠たちの姿がわかって楽しい。何より北見さんの人柄の良さを感じさせるのは聞き書きの手法だからこそと感じた。
⭐表題のつけ方が秀逸。マンガを愛する多くの人が気軽に読めるように工夫を凝らしている。
⭐ラストの北見さん自身への聞き書きが味わいがあり、読み応えが有った。ラストの「今度、飲みに行こうよ、ね。」が北見さんと小田さんの厚い信頼関係がわかる。
⭐聞き書きをする前に、しっかりした準備をしていることがわかる。北見けんいちさんが語る人物を、どうやって聞いてまとめたのか、その経過を知りたい。
などなど、感想が飛び出し、それに対してみんなであれこれ話した時間は有意義でした。
ふたつ目の議題は、「福山聞き書き人の会」との交流会について。
話し合いの結果、7月の定例例会は福山で3時からスタートすることになりました。詳細はこれから煮詰めていく予定です。
その他、12月に横浜で行われる聞き書き全国大会の話も出ました。会員の1人が小田先生に連絡を取ったら、次のようなメールが返ってきたとのこと。先生の許諾をいただき、ここに紹介します。ますます全国大会に参加したくなりました。
皆さん、こんにちは。最近思ったことをお話させてください。どなたの本だったか忘れましたが、「往きの命と還りの命」という言葉がありました。そこから僕はマラソンを想像しました。マラソンには折り返しがありますよね。僕らの人生にも折り返しがあって、もう僕は「還りの命」を走っている。すると、たくさんの「往きの命」を走っている人のなかに、かつての自分の姿を見るんですね。昔の自分とすれちがい、「苦しいけど、よくがんばったね」と思わず声をかける。その感覚が「聞き書き」なんじゃないでしょうか。語り手と一緒に「還りの命」を走る。そして、すれちがう若かった語り手に声をかける。そんな気持ちで「聞き書き」をしてみると楽しいですよ。今年12月21日、22日に横浜で日本聞き書き学校の集まりがあります。皆さん、全国の聞き書き仲間と語りませんか。
(K.A)
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