聞き書き人の会 8月例会の報告

聞き書き人の会の第164回となる8月例会を、8月8日午後2時から岡山県立図書館2階で行いました。

作品合評では、小山明子さんの「麗子さんはかく語りき」を取り上げました。昭和11年笠岡市で生まれた麗子さんの懸命に生きてきた半生を描いた作品でした。会員からの講評では、二重カギ括弧の使い方や必要な漢字へのルビなどについて指摘はありましたが、「作品の完成度が高く、特に気になった点はない」、「読みながら中島みゆきの『ファイト!』という歌があるけれど、読みながらその歌のようだった」などの感想が寄せられました。

2作目は、文屋泉さんの「母(とよ)が私に伝えたかったこと」の書き直し原稿でした。80歳の女性が、満州からの引き揚げから戦後の生活のつらさを、母親から聞かされていた記憶を記録したもの。前回の講評では、伝聞による人間関係の描き方がわかりにくいという指摘を手直しして、とても読みやすくなったのではないでしょうか。

このほか、『聞く、書く。』14号からは制作方法が変わり、執筆者各自が割り付けレイアウトまでやることになったので、そのための方法を今年中にまとめることを確認し合いました。

合評後の懇談では、8月6日広島の平和記念式典での湯崎英彦広島県知事のあいさつ全文が紹介されました。リアルタイムで聞いていて、とても心に残るスピーチだったと思いました。伝わる言葉とは何なのか、考えてみたいと思います。

次回の例会は、会場の都合により未定。明らかになり次第お知らせします。

聞き書き人の会

岡山県岡山市を拠点に「聞き書き」手法を習得し、聞き書きによって地域の記録を残していくことを目指しています。聞き書きは、語り手と聞き手が対話を重ねて、語り手の人生や思いを「話し言葉(聞き書き言葉)で文章化」していく共同作業。この時代に生きているひとりひとりの人生を「歴史」として記録していく取り組みです。