9月例会を開催しました

先月に引き続き、新型コロナウイルス感染予防対策に伴いオンライン会議とし、会員8名が参加しました。

聞き書き作品は、盲導犬と共に歩んでこられた方の半生の聞き書き。少年時代を愛媛県川之江の田舎で過ごされたのち、盲学校の寮生活を経て、長きにわたって盲学校の教師を勤められ……退職後は鍼灸院開業し、今に至るお話。ハンディキャップをものともせず、ユーモアあふれる語り手の口調から、明るく前向きなお人柄と、人間力が感じ取れる作品でした。

今月の研究は、雑誌「壮快」10月号 社会学者 岸 政彦氏(「東京の生活史」編集者)による「親の生活史 家族で終活『聞き書き』のすすめ」について、感想や意見を交わしました。この記事の内容と、私たち聞き書き人の会が目指す聞き書きの違いを明らかにした上で、伝える目的、対象によって、聞き書きのスタイルは自由であっていいとの結論に。

また聞き書きのフィルターを通して、文学や演劇、映画などの作品になっているものもあるとのことで、いくつか作品紹介もあり、情報交換しました。その中の一つを紹介します。

筑豊炭鉱で働いた女性たちの聞き書き「まっくら」森崎和江著 岩波書店

最後に聞き書きを通して地域活性化を考える、秋のイベントの計画を進めました。詳細は次回定例会にて決定する予定です。

聞き書き人の会

岡山県岡山市を拠点に「聞き書き」手法を習得し、聞き書きによって地域の記録を残していくことを目指しています。聞き書きは、語り手と聞き手が対話を重ねて、語り手の人生や思いを「話し言葉(聞き書き言葉)で文章化」していく共同作業。この時代に生きているひとりひとりの人生を「歴史」として記録していく取り組みです。