8月18日(金)午後2時から、岡山県立図書館グループ活動室にて、8月の定例会を開催しました。
参加者は6人。
いつもの顔ぶれにプラスして、久々に名誉会員の青山静さんが出席なさいました。
御年98歳、杖も持たずにしっかりとした足取りでお越しくださり、会員とはコロナ禍以来の再会で、喜びもひとしおでした。
今回の聞き書きの合評は、小山明子さんの作品から。
トリミソー症候群の子どもを授かった家族の支援活動をされている方の聞き書き。
「トリミソー症候群とは、生まれつき染色体異常によって、発達の遅れや、内臓の異常など体に様々な症状が現れる病気」(メディカルノートより)
5人目のお子様は、トリソミーとして産まれてからたった4か月の命でした。
短い命を育み、その記録をブログで綴っていったことから活動が始まったとのこと。そのお子様が亡くなられてから、高校教師の職をスパッと辞めて、トリミソー症候群の存在を一人でも多くの人に知らせたい思いで発信しているという語り手の生き方に感銘を受けました。それと同時に、家族への深い愛情を感じられる聞き書き作品でした。
もうひとつの作品は、採鉱産業に携わる方の聞き書き。但し合評ではなく、話を聞いてまとめたものの、残念ながら作品として発表するに至らなかったケースを体験した会員がレクチャーしました。そしてそれを聞いて、皆で意見交換しました。
聞いた通りにまとめたものを語り手が納得せず、言い回しの訂正を求めてくることがあります。テープ起こしした語り手の方言混じりの言葉を忠実にまとめると、本人が違和感を持たれる場合があったりします。
せっかく興味深い内容のお話であっても、語り手と聞き手の書く側と不整合が生じると、作品として発表できないという結果となり、聞き書きの難しさを痛感しました。
語り手が満足しなければ、聞き書きとして作品を発表するわけにはいきません。
語り手と聞き手双方が互いに納得し、よりよい作品をつくり上げる作業を今後も継続することを再確認し、有意義な学びの時となりました。
次回は、9月8日(金)午後2時から、実作披露と検討(担当:正保)、聞き書き作品の紹介(担当:佐藤)を予定しています。
5月例会で行った、聞き書きワークショップの成果として、会員の小山明子さんがまとめた作品をホームページにも掲載しました。ぜひご一読ください。
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